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揺れる世界で私と君とあなたと 窓枠がガタガタ震えて隙間から冷たい風が入り込む。 「枢さん…」 流石に温室育ちの私でさえこの不穏な空気を感じて、少し身を竦める。窓の外の景色から視線を外してソファに座って読書をしていた枢さんに向けると、本を置いて座りなおして手招きそした。促されるまま枢さんの横に座る。枢さんは未だに私を子ども扱いのままで、拓麻と同じく髪を撫でる。 「は何を心配してるの?」 「…私は何も知らないし、拓麻は教えてくれない。もう子どもじゃないのに…」 「彼は心配性だからね。僕だって君に辛い思いはさせたくないよ」 そう言って微笑む顔が拓麻と重なる。 「さて、そろそろ一翁が来る頃だろうし行こうか。もしばらく一翁と会ってないだろう?きっと会いたがってるよ」 立ち上がった彼に続いて部屋を出る。階段を下りて行くと拓麻が枢さんを止めている間に懐かしい気配を感じる。 ドアが開いてお祖父様が入ってきた瞬間に、冷たい空気が流れ込み空気が凍る。純血種である枢さんに礼を取る。けれど、枢さんの手を掴んで口を寄せた時に牙が見えてそれを瞬間的に留佳と英が間に入った。 「お祖父様!」 この空気に耐えられなかったのは私だった。 「私、お祖父様にたくさんお話があるんです。聞いてくださいますか?」 ニッコリと笑ってお祖父様の服の裾を掴む。 「あぁ、そうだな。…では、失礼します。" 我 が 君 "…」 ちらりと英に目配せをしてお祖父様の腕を引っ張って私の部屋へ進んでいく。その時、私の背中を見ていたお祖父様が何を考えているなんて知らずに。 *** 「今回はに助けられたね」 自虐めいた笑いを顔に貼り付けて藍堂と留佳に視線を合わせると、二人とも罰が悪そうに目を逸らす。 まぁ、分からなくも無い。流石にあのお祖父様の態度は行き過ぎている。だけど、それを止める術を僕等は持っていない。いや、持っているのは純血種である枢と孫である僕とだけなんだ。二人は止める術など持っていないと知っていたけど、何もせずただ見ているだけなんて出来なかっただけ。 「一条」 「なんだい、枢」 「あとでを僕の部屋に呼んできて貰えるかな?少し、話したいことがあるんだ」 「…分かった」 枢は後ろでしゅん、と項垂れている二人に視線を向ける。 「二人とも、にちゃんとお礼を言うんだよ」 (これはまだ物語の序章に過ぎなくて) 次 |