「自分が何したか、解ってるの?」
「もちろん」
「…親父も、お袋も心配してたよ」
「悪いと思ってる」
「じゃあ、なんで」
「自分の知らない世界を見てみたかった」
ククルーマウンテンを目指している、飛行船。
外はもう真っ暗で、ここには私とイルミしかいない。
「けどね、もう十分に見れたから満足だよ」
「戻ってくるの?」
「うん」
闇から抜け出そうとしても、藻掻いても、深みに嵌っただけ。
抜け出すことなんて出来なかった。 私は結局、闇の住人なんだ、と再確認しただけ。
お父さんから貰ったナイフだって、肌身離さず持っていた。いつも。
「イル、」
「なに?」
「ありがとう」
きょとん、とした顔を私に向ける。
「私が帰ってくるまで待っていてくれて」
「なら帰ってくるって解ってたし」
「いつまでかかるか、解らなかったのに?」
「待ってたよ、それでも」
私と同じ黒髪、違うのは彼は直毛で、私は少しウェーブが掛かっているところ。
無表情に見えるけど、知ってる。彼は優しい。
「帰ろう、。みんな待ってるよ」
胸が痛むのは置き去りにしてきた思い。
飛行船を下りると、すでにそこには家族全員が集まっていて
「ただいま」
そう言えば、お母さんは泣き出してお父さんはお母さんを抱きしめている。
おじいちゃんは笑っていて、ミルキとキルアは照れくさそうにしている。
カルトは私目掛けて走ってきた。
「お帰りなさい!」
「ごめんね、カルト」
えぐえぐ、と涙を流して泣いている。この子にこんな思いをさせたのか、と思うと苦しい。
腰を屈めてカルトの身長に合わせて
「今日からは一緒だから、ね?」
カルトは赤い目を私に向けて「もう何処にも行かないで」そう呟いた
私はお咎めなし、だった。覚悟はしていた。どんな拷問うけるのかしらー、とか。
でも、私が帰ってきたことで丸く収まったらしい。
それから、日常が戻ってきた。闇に生きる、いつもの私。
でも、心の何処かに引っかかっているのはシャルナークさんのこと。
我が侭な私毎に巻き込んで、きっと私のこと恨んでる。
ほんとうは、ずっと一緒にいたかったよ。
ごめん。