ゴミだらけのこの場所で産まれて、死ぬか死なないかの瀬戸際で育った
力がないと殺されるのは当たり前、生きるために大切なのは強さ
「で?」
呆れたような馬鹿にしているようなその声色
「あー…、血が欲しい」
「馬鹿だろ、お前」
「フィンクスより馬鹿じゃないよ」
「あんな奴に殺られるテメェに言われたくねぇな」
「まだ、殺られてないもん」
「死に損ない」
「このくらいじゃ死にたくても死ねないでしょ」
あり得ないくらい血が流れて、冷たいコンクリートは赤く変色していく
傷口を念でガードしないと死にそうな出血。
血が足りなくて自力では立てない。
そんな私を見下ろしてフィンクスは馬鹿にしたように笑うのだ。
そして、話は再び冒頭に戻る。
「で、俺にどうしてほしいんだよ」
腰を屈めて視線を私に合わせる。
小馬鹿にした笑みは忘れずに。
「どうもしなくていいよ」
「それで、帰れるのかよ」
フィンクスは鼻で笑いそう言った。
その言葉にむっとして、顔を背ける
「少ししたら動けるようになるから」
「ほぉ、見物だな」
そうやって私を苛める
「だから、フィンクスは戻れば?」
「そうする」
笑いながら彼の姿は見えなくなっていく
このくらいで死んでしまうのは、自分が悪い。
あんな攻撃も交わせない自分を叱責して、見上げた空には大きな月と沢山の星。
ゴミだらけのあの場所から見えた空は、汚い。
だけど、記憶にある空は妙に綺麗で、透き通るという言葉が当て嵌まるほど青かった。
このままでは死んでしまう。
けれど、きっと誰も助けてくれなくて
伸ばした手は空を切るだけ、そう、虚しいだけ。
だから、私は、手なんて伸ばさない。
助けなんて求めない。
このまま、このまま、奈落の底へ。