私と団長は数年前に出逢った。
元はと言えば、私は盗賊なんかではなく(なんか、といったらフェイタンに怒られそうだけど)元々、暗殺
ゾルディックなんかと比べられたら困るけど、それなりに名前の通った暗殺者だった。
けど、偶然仕事場で遭遇してしまった幻影旅団の団長に私の念能力が見初められ、半ば強引に団員になった。
でも決して、私の意志ではない。(断ったら殺されそうだったから)
それから、何度も旅団の仕事はしているし、メンバーとも仲良しだ。
特にフィンクスは私の飲み仲間だし、マチとか、パクは一緒に買い物だって行く。
フェイタンは拷問の話で盛り上がるし、(この拷問道具いいわよvとか)
ノブナガは何だかんだ言って私を介抱してくれる(お酒は私が一番弱い)
「今日はこれで解散だ、」
そう団長が言って今日の仕事も終わる。
団長は私なんか見もしないで出ていくし、なんだかなぁ、と思う。
仕事が入ったときはみんなに会える、ってわくわくしていつも来るけど
終わるとなんだかしょんぼりしてしまう。
そんなとき、リズミカルな音が私のケータイから漏れる
「なんだよ、その音!!」なんて爆笑を攫った私のケータイに誰だっけ?と思いつつ出る
「もしもし?」
『久しぶり』
淡々としたその口調に思わず青ざめる
『ていうかさ、俺に黙って居なくなるなんていい度胸してるよね』
相手が喋るたびに冷や汗が流れる、そんな私の状態を変に思ったのかマチが眉間に皺を寄せてこっちを見てる。
『聞いてるの?、』
「聞いてます…」
『他に何か言うこと無いわけ?俺がどれだけ心配したと思ってるの?』
「ごめんなさい」
ジャスチャーでなんとか今の状況を伝えようと、団長以下の団員に視線で伝えようとする。
『…、今誰といるの?』
少しの沈黙の後、それを遮るように、そして何かを探るように彼が言う。
「仕事の仲間、と…」
『仲間?に仲間なんているんだ』
流石に変に思ったのかシャルが私のケータイを取り上げる
あ、と思った瞬間にはシャルの手の内に落ちた私のケータイ、
「君、誰?」
シャルがそう告げると同時に私の体温はぐんぐん下がる。
『…へぇ、そう言うことなんだ』
「そう言うこと?」
反芻するかのようにシャルが言った瞬間、殺気がバシバシ飛んでくる。
言わずもがな彼のだと悟る。
「俺よりその男選んだの?」
彼のひんやりした声がアジトに響く。
身を構えようとした瞬間に首に痛みを感じ、意識が遠のきそうになるのを必死に堪える
「イ、ルミ…」
彼に手を差し出そうとするけれど、思うように体が動かない
遠巻きに、みんなの声が聞こえる
そして、私は気を失った。
次に意識が戻ったとき、そこは見覚えのある部屋で、上体を起こそうと動くと首に重みを感じ、
貴金属が重なり合う音が部屋に響いた。
「目覚めたんだ」
思ったよりも早かったね、と彼は言う。
旅団はあの時、私と団長を除いて6人もいたのに、どうやって私を連れ去ったのだろう、とか
なぜ、居場所がばれたのか、とか
疑問はたくさんあったのに、久しぶりに逢う、彼を見ることだけしか出来なかった。
「ねぇ、どうして居なくなったの?」
淡々とした口調の中にどこか寂しそうに感じるのは長年彼と共にいるからこそ分かるのだと思う。
「ごめんなさい…」
ただただ、彼に許しを請うように謝ることしかできなくて
手首に付けられた手錠も、足枷も、すべて愛おしいと思う。
せっかく見つけた居場所も、仲間も、彼の前では無に等しいと感じる。
本当はあなたから逃げ出した。
あなたの私への強い愛が怖くて、縛られることが怖くて、失うことが怖くて、
彼から逃れたくて逃げ出したのに私はは貴方を捜してしまう。
結局、私の世界は貴方を中心に回ってる。