「あ、リリー!」
女子寮から小走りで駆け降りると、談話室で読書をしていたリリーは顔を上げて微笑んだ。リリーの深い赤い髪とグリーンの瞳がわたしは好きだ。わたしは髪も瞳も黒いからリリーの瞳を見ると綺麗だなぁ、と思う反面 いいなぁ、と羨ましくも思うのだ。
「どうしたの、そんなに急いで あなたらしくないわ」
少しだけ眉を顰めて、読んでいた本に栞を挟んで閉じた。
「あのね、材料が届いたの。ちょっと作ってくるね!出来たらリリーにも食べさせてあげるから」
両手に抱えている袋の中には日本から届いた材料がいっぱい入っている。
後ろからリリーの静止が入ったけど、わたしはテンションが上がりすぎてて耳にも入らない。そのまま袋を抱え直してグリフィンドール寮を飛び出した。
屋敷僕たちが働いている厨房に向かう足取りは軽い。なんていったって久しぶりに日本食が食べれるのだ!むふふ、と無意識に緩む頬を押さえながら鼻を掠める醤油や味噌の匂いにうっとりとする。
普段はクールなちゃんだが今日は仕方が無い。多少みんなからのイメージが崩れるかもしれないけど、明日からまた猫を被るから良し。毎日毎日こってりしたイギリス料理は胃がもたれる…。日本人の口にイギリス料理は合わないといわれているのも分かる。とある事情で知っている裏技を使って厨房に入る。するとたくさんの屋敷僕が紅茶やお菓子をすすめてきたけど、わたしはそれをやんわりと断り厨房を使っていいかと問い、断ることもあるはずもなく、わたしは腕まくりをして髪を結い上げ 準備は整った。
まずは白いご飯に味噌汁!これぞ日本人の心。あぁ、きんぴらも食べたいし、肉じゃがも捨て難い…!そうよ、材料はいっぱいあるんだもの。作っちゃえ☆ということでわたしは料理に取り掛かった。
厨房に漂う和食の香りに頬は緩みっぱなしだ。ちなみに、お茶碗や箸も準備済み。万事抜かしなし。
両手を合わせて「いただきます」と言うと、あぁ、どうしてだろう すごく嫌な予感がする。
「噂の東洋の魔女がこんなところで何をしてるのかな?」
聞きなれたような声が耳を抜ける。温かいごはん、グッバイ。
「あら、Mr.ポッター、どうしてあなたがこんなところに…?」
「いやぁ、偶然さんぽをしていたら普段は冷静沈着な君がにやけながら廊下を走っていたのもだから、つい ね」
ウィンクされながら言われても全然可愛くない。むしろ寒気がする。
「わたしが気付かなかったのも、大方その透明マントを着ていたからでしょう」
図星だったのか、彼は肩を竦ませた。
「君、は…」
「Mr.ポッターも食べる?わたしは冷めないうちに食べたいのだけれど」
「これが日本の料理…?見たことのないものばかりだ」
共犯者になるとも知らずに彼は興味深そうに並べられた料理を眺め、そして誘われたかのように腰を下ろした。
「箸はこう握るのよ」
「…難しいんだね」
「箸がまともに握れないのなら日本食を食べさせるわけにはいかないわ」
わたしはニヤリと微笑んだ。そして、白いご飯を口に運ぶ。久しぶりのおコメ!なんて懐かしいんだ。
「ちょ!こ、こうかな…!?」
私は口に運ぶ箸を止め、箸の使い方を教えてあげた。幼稚園生に教えるように。
少し辛めのきんぴらに肉じゃが、てんぷらにお漬物。すごく庶民食だ。でも食べたいんだもん、しょうがないじゃない。
味噌汁はちゃんと山車からとったし、おコメだって炊飯器なんてないから釜で炊いた。初体験だ。
「それで、Mr.ポッター。わたしになんの用なの?」
箸は止めることなく目の前で未だに箸と悪戦苦闘しているポッターに目を向ける。
「きみって…、それが素?」
「それがなにか。」
「い、いや、いいんだけどさ…」
ぶっちゃけポッターは引き気味だ。どんと引け、コノヤロー
「エヴァンスのことなんだけど」
「仲を取り持つなんて真似しないわよ」
「なんで!?」
「ちょっと!唾飛ばさないでよ、人が一生懸命作ったんだから!」
興奮して立ち上がるポッターを制して、必死でおかずたちを彼の唾から護る。我が身に変えても!!!!
「僕は君の事誤解していたよ…、優しく美しく聡明な東洋の魔女だと思ってたのに…!」
「リリーにポッターにこんなこと言われたって伝えるわよ」
「それだけは止めてくれ!!!!」
「Sit down.」
ポッターは口をパクパクとまるで金魚のように数回動かして、わたしに勝てないと思ったのか椅子に座った。
「ああ!日本食っていうのはなんておいしいんだ!いや、君の腕がいいんだ!ね、」
「白々しい」
「ね、一つ聞いていい?」
「なに」
「君って、どうして東洋の人なのに、名前は西洋の名前なんだい?」
思わず箸が止まり彼の悪戯に輝く目を凝視した。
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「やぁ、!今日も素晴らしい天気だね!」
「そうね、Mr.ポッター。 ところで、どうしてここにいるのかしら…?」
あれからポッターはかなり(強調)フレンドリーに私に話しかけるようになった。面倒ごとは正直勘弁してほしい。
嫌なのだ、当事者になることが。客観的に彼らと接していたかった。リリーとだって出来れば親しくなりたくなかった。辛いではないか。あと何年か後には彼らはバラバラに引き裂かれ、運命に翻弄さえ、死を迎えるのだ。けれど、わたしは約束してしまった。「未来を変えてはならない」と。だから彼らと関わりたくなかったのだ。こんなにも輝いている彼らが絶望へと向かう未来を、わたしは見たくない。
「って…、?顔色悪いけど、大丈夫?」
人通りの多い廊下で彼は人目も気にせずわたしに顔を近づける。あぁ、本当に西洋の人のスキンシップには慣れないわ。
「ちょっと眩暈が…、少し人に酔ったみたい…」
もちろん演技だ。ポッターもそれに気が付いて、「じゃあ あっちに行こうか」と庭の木陰を指差した。
ポッターに支えられるようにして木陰に向かう。みんなのイメージでは私はか弱い子らしい。そりゃあ西洋の人に比べれば東洋のちっさい島国の尚且つ平均的な体系なわたしはか弱くも見えるでしょう。なんていったって、こっちの子たちは同い年なのにやたら発育がいいのだ。
「ちょっと、あんたなに考えてんのよ」
声のトーンを1オクターブ程下げて、俯きながら呟く。かの有名なポッターとわたしの組み合わせは目立つ。何処で誰が見ているか分からないのだ。だから、素を出すわけにはいかず、せめて顔が見えないように俯く。
「え?なにって?」
さっぱり、と首を傾げるポッターに「あんたばかぁ?」と少し某キャラクターの科白をパクってみたけど、伝わるはずも無い。
「わたし目立ちたくないの あなたと居ると悪目立ちするし、それにリリーに怒られるんだから」
「エヴァンス妬きもち!?」
「違うわよ、馬鹿がうつるから一緒にいないほうがいいわよ、って凄く嫌悪しながら言うのよ」
ポジティブ過ぎるポッターはなんでもプラス思考に持っていける奴だ。一回ぎちょんぎちょんに貶してやりたい。
「そっか…、エヴァンスが妬きもち…!」とうっとりしてる。うざいよ、ポッター。
「そういうことだから、わたしに声掛けないでね」
「あ、ちょっと待って!!」
わたしはその声をさらりと無視して次の授業の教室へ向かう。次は睡眠を貪るためにあるとしか思えない魔法史だ。
教室に着くと、リリーはもう着席しておりわたしはリリーの横に腰掛けた。
「もうギリギリじゃない。どこ行ってたの」
「ごめん、ちょっと気分悪くなっちゃって。でももう治ったから平気」
「昨日も夜遅くまで起きてたじゃない…、今日は早く寝なさいよ?」
「うん」
リリーは優しい。優しすぎる。どうしてこんなに優しくしてくれるんだろう。どうして、こんなに優しい人が死ななければならないのだろう。
普段はリリーが必死にノートをとっている横で睡眠を貪るのだが、今日はとても眠れる気分じゃなかった。
どうかしてる。
関わらないと決めたのに、日々関わりが深くっている。リリーのさらさらと流れる羽ペンの音を聞いて、不意に涙が流れた。
いつもは授業が始まってすぐ机に突っ伏すわたしがいつまでもその兆候が見られず、不審がったリリーはわたしの頬を伝う涙に思わず声をあげた。幸いなことに先生は耳があるのかないのか知らないが、気付かず、それでも周りの生徒は気が付いた。違和感に。
「あ、あなた本当に気分が悪いんじゃ…」
「だいじょぶ」
少し、ほんの少しだけ感傷的になっているだけだ。また少しすれば元に戻る。冷静を装えば心を隠せば、本音を漏らさなければ、この世界で生きてゆける。
「…、少し外にでましょう?ね?」
「ひとりで行けるから、」
リリーは瞳を伏せた。ごめん、今はひとりになりたいの。
生徒の視線を集めながらわたしは教室を出た。リリーが心配したような医務室にいくようなことでもないし、図書室にもいけない。
よろよろと、廊下の壁を支えにしながら空いている教室を探す。
ほんの少しでいい。少しだけ、弱音を吐いてもいいですか。誰にも漏らさない。わたしがひとりで背負って行くから。
未来を変えることが出来ない無力さ、罪深さ 全てが圧し掛かるのようだ。
「なんのために、わたしを呼んだのよ…」
誰に聞いていいのか分からない問いは空に消えていった。
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わたしが少し情緒不安定になってしまったあの日からリリーはわたしに気を配るようになった。単なるホームシックだと説明したけれど、納得はしていない様子だ。わたしは普段はあまり表情を表に出さないようにしているから、尚更わたしが取り乱したのが衝撃的だったらしい。ごめん、ごめんね、リリー。
このときは自分とリリーのことで頭がいっぱいで周りのことなど見えていなかった。
ジェームズと親しくなってしまったからには彼ら、悪戯仕掛け人の耳にわたしの名が届くことなど明白だった。その失態に気が付きもせず、わたしはぼんやりと少し悲観に暮れながら過ごしていた。
その日は少しだけ早い時間に目が覚めてもう一度眠ろうと瞼を閉じても目が冴えてしまって眠れず、リリーを起さないようにそっと女子寮を出た。休日のまだ早い時間帯に談話室に人が居るわけもなく、普段ざわめいている場所が寂しげだった。わたしはあたりを見渡した。グリフィンドールカラーで纏められているこの部屋でジェームズとリリーそしてハリーが時を越えて過ごすのだ。唯一共有したものだと言ってもいいんじゃないだろうか。朝からちょっとセンチな気持ちになり、寮を出る。
窓から差し込む光が朝を告げ、鳥たちは楽しげに鳴いている。
少し前、授業をサボったときに見つけた空き教室は最上階にある。もう使われていないらしく埃でまみれていた部屋をちょちょいと掃除して、快適に過ごせる部屋にした。まだリリーにも言ってない。わたしだけの秘密の部屋。
ドアを開けるとギィと鈍い音がした。分厚いカーテンを開けると眩しいほどの朝陽が差し込む。
わたしの左手の人差し指にシルバーの指輪がある。恋人からもらったの、などと色めいた話はさらさらなくこの指輪にはダンブルドア校長の魔法が詰まっている。つまり、制約。この指輪をつけているときにはわたしも魔法が使え、そして英語が話せ書ける。けれど、指輪を外せばわたしは以前と同様の人になる。
つまり、指輪を外せばわたしが話す言葉は日本語に変わり、そしてマグルへとなるのだ。
シルバーリングを指から外す。人差し指には指輪の痕が残っている。
「あー、朝だ」
指輪をつけていてもいなくても、わたしは日本語を話しているのだが指輪のおかげで周りには英語に聞こえる。ドラ●もんもびっくりだ。
だから、あまり変わりはないのだけれど。けれど、独り言を聞かれても周りは理解できない。現在ホグワーツにはわたし以外の日本人はいないのだから。
「きれいだなぁ、でもやっぱり日本の景色とは全然違う」
口に出したら寂しくなった。ここにはわたしの知っているものなんて何一つない。わたしを知っている人も誰も居ない。
「なにが…、なにがだよ ばかやろー」
朝陽に向かって叫ぶなんてガラじゃないし、そんな青春いらない
「あーあ、帰りたい、のかなぁ…」
わからない。
「くそー、負けないつもりだったのに、負けてる気がするし… まだ何もしてないっての」
────そのころ、
「!がいないわっ!」
と泣き叫ぶリリーを見てコレ幸いと株を上げようとしたジェームズがリリーによって八つ当たりを受けていたらしい。残りの悪戯仕掛け任の手によっては場所を突き止められ、のんびりと感傷に浸っている場所へリリーや悪戯仕掛け人が訪れ騒然となったのは言うまでもない。
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「Where were you!? I worried because you were not! And I was looking for you! Please say something in the future and go out.」
勢いよくドアが開いたと思ったら、英語が耳に飛び込んできた。リリーはわたしを見ると、抱きしめながら早口でなにか口走ってる。わ、わからない!指輪を急いでつけようとしたら、焦ってしまって指輪が落ちた。拾おうにもリリーが抱きしめているので動けない。英語の成績がいいとは言えないわたしの脳みそはフル回転しても聞き取れない。え、えっと、えっと!リリーは抱きしめる力を緩めて、わたしと視線を合わせた。そしてもう一度英語でなにか言った。
「Please keep your and my promise. 」
おーけい?とリリーが聞いたけど、訳も分からず返事をするのは後が怖い。
「ちょ、ちょっと待って!指輪…!」
とりあえず日本語で言うけど、リリーはぽかんとしている。今までリリーの前で日本語を使ったことがないから驚いているのだろう。足元に転がっているはずの指輪は無くて、わたしは焦る。がーん、指輪が無い。打ちひしがれているわたしにもう一度声がかかる。今度は少し低い男の子の声で「Are you looking for this ring?」目に入ったのはシルバーリング。わたしは手に取り、左手の人差し指に嵌める。
「ありがとう」
思わず満面の笑みで言ってしまったけど、目の前にいたのはかの有名なシリウス・ブラックだった。げ、と思ったのは後の祭り、しょうがないからとりあえず日本人の得意な営業スマイルでカバー。
「ごめんね、リリー… 心配かけたみたいで…」
さっきリリーが言っていた英語はなにか分からないけど、あの取り乱しようはきっと心配してくれたんだと思う。そりゃあ、朝起きたら置手紙もなしにいないってのは心配するよね。しかも情緒不安定になった直後だったしなぁ…。
「急にいなくならないで…」
リリーの一言が心に沈んでゆく。
「うん」
護れない約束を交わすなんて最低だ。小さく握った拳が震えた。
「さて、も見つかったことだし一緒に朝ごはんでも、どうだいリリー!」
「…そうね、ポッターたちには迷惑をかけてしまったし…」
え、ちょっと待って!これは結果的にわたしが仲を取り持ってしまったのか?
ほんのり赤いリリーの頬を見て、いい事をしたのか悪いことをしたのか分からなくなった。
「あ、今日って土曜日だよね?じゃあ朝はいいや」
わたしがそういうとリリーはがし、と肩を掴んだ。可愛い顔してリリーは力が強い。
「だめよ!朝はちゃんと食べなきゃ!あなたただでさえ細いんだから」
遠まわしに胸が小さいと言われている気がする。ちょっとへこむ。
「や、違くて… 今日は知り合いから食料っていうか、なんというか… 届く日で…」
「また作るの!?」
「せめて週に一度くらい和食を食べたいんだもん」
リリーは呆れたようにわたしを見る。
「まぁまぁ、の作る料理はおいしいよ!…珍しいものばかりだしね それにみんなで食べればいいじゃないか!」
ジェームズはわたしに何人分作らせようとしているのだろうか。4人分だけど、きっとジェームズとシリウス・ブラックは人並み以上食べると思われる。普段の食生活を見ていると。
「それに、ほら きみのフクロウは素晴らしく賢いね」
ジェームズは窓の外を指差しながらウィンクする。窓の縁にいるのは真っ黒な羽をしているわたしのフクロウ。
括りつめられている荷物を解くと、あーら 不思議。あの人は何でも知っているのね。そこには人数分と思われる食料が入っている。
ジェームズの「よし決まり!」と言う言葉でわたしが料理を作るというのはあっさりと決定されてしまった。
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「じゃじゃーん!今日の献立を発表しまーす。」
本当はお袋の味を再現したかったから割烹着が良かったんだけど、あるわけがないのでとりあえずエプロン装着。
「日本の家庭料理ということで、ごはんと味噌汁は外せませんね。それにさばの味噌煮と玉子焼き、ほうれん草の胡麻和えと酢の物ね。」
普通朝からさばの味噌煮なんて食べないけど、わたしが食べたいから良し。
「えーと、?手伝いましょうか?」
「いいよ、リリーは座っててー」
わたしは既にやる気満々で、腕まくりして髪を結んでいる。料理は手で作るもの。魔法でなんて言語道断。杖を置いて、包丁を取り出したわたしにジェームズは口笛を吹く。そんなのお構いなしに調理開始。ゴングが鳴った。
「へー、この前も見たけど手際いいねぇー」
「1人暮らししてたしね」
「…え?ホグワーツに入る前に?」
…、やっちまった!「ジェームズ、うちの家庭は複雑なのよ」と少し影のある表情で言ってあげた。すると口を噤む。えへ、ごめんね。
「ちょっと待て、お前この前も見たって…」
シリウスがジェームズに問うと何故か自慢げに両手を腰に当てて「いやー、普段はクールな東洋の魔女が両腕にいっぱい荷物持ってニマニマしながら走って行くのが見えてさ、気になるだろ?だから付いていったらここで料理作っててさ、お裾分けもらったってわけ!」お裾分けっていうか、強請ってたしなぁ。というか、ニマニマとは心外だ。
「それにしても良い匂いね」
「味噌と醤油は日本人の心なのです!」
「日本食は初めてだ」
ブラック家のお坊ちゃまは食べたことあると思ってたけどないのかぁ、意外だなぁ。
「見たことの無い食材ばかりね」
「わたしもイギリスに来たばかりの頃は食生活の差に文化の違いを物凄く感じたもんなぁ」
「俗に言うカルチャーショック?」
ジェームズは意外だと言う顔でわたしを見る。コイツ、わたしのことを何だと思ってるんだ。
「毎日が驚きの連続で… 戸惑ったよ、かなり」
思い出すだけで目頭が熱くなるよ…。文化の違いとは恐ろしい。
「はいはい、もう出来るから席着いてー」
手をパンパンと叩く。先生もしくはお母さんになった気分だ。
ご飯は左、味噌汁は右。箸の握り方をレクチャーしたけれど、初めてでうまく出来るはずもなくフォークとスプーンで食べることを許可してあげた。だってリリーが戸惑いながらこっちをチラチラみるし、シリウスがご飯を零す姿を見るのは忍びない。
「ひどいよ!僕には箸が握れないなら食べるなって言ったくせに!」
「え?言ったっけ?」と白を切ってみた。ジャームズを見てると意地悪をしたくなる。弟を見ている気分です。
大好評のうちに日本の朝食を食べてみよう会(仮)は終了した。
これからのち、この日本の朝食を食べてみよう(仮)は残りの悪戯仕掛け人のメンバーであるリーマスやピーターも参加するようになる。
そして、これからのち 悪戯仕掛け人とリリー・エヴァンスとわたしは共に永遠の友情を誓うことになる。
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