昔から、正確には現世でまだ生きてたころから男の人は苦手だった




 現世で生まれて生きて死んでそして死神になった。

 最初は本当に意味不明なことばかりだったけど最近では少しずつ慣れてきて

 官位も着実に上がってきている(少しずつだけどさ)

 そして、今回なんと三席にまで一気に昇格!!!

 おめでとう、私。頑張ったのね。

 思わず自画自賛。でもね、官位が上がると言うことは異動な訳ですよ。

 本日付けで六番隊へ異動です。

 あの四大貴族の御当主朽木隊長。

 そして元十一番隊の、阿散井副隊長。

 すっごく怖いんですけど。



 しかも三席と言うことは副官補佐なんですね。

 阿散井副隊長の補佐をしろと!?

 無理です。無理です。

 はぁ、と重ーい暗ーいため息を付いた視線の先には六の文字が。

 挨拶に行かねばなりません。
 
 気持ちを入れ替えて、頑張るのよ私!

 家に帰ったらご褒美のおまんじゅうがあるじゃない!

 



 「失礼致します」

 六の扉をくぐると、赤い髪が印象的な副隊長が待っていました。

 「あ、お前が新しい三席か」

 視線が上から下へと、全身を見られたんですけど…?

 「あー、阿散井恋次だ。よろしくな」

 素敵な笑顔でご挨拶されましたが、私には肉食獣が草食獣を騙しているようにしか見えないんです。

 「新しく三席になります、桐生です。宜しくお願いします」

 きっと、こいつすぐ死ぬだろうなーとか思われてるんだろうな

 そうだよね、十一番隊からしたら私なんて下っ端だもんな…


 「桐生は五番隊だったのか、」

 ふむふむ、と私の書類を見ながら頷く

 「はぁ」

 「じゃぁ、雛森の部下だったんだな」

 「?雛森副隊長をご存じなんですか?」

 阿散井副隊長は確か副隊長になってまだ日が浅いはず…

 「あー、同期なんだよ、俺ら」

 俺と雛森と吉良と、彼は続ける

 「そうなんですか」

 ほっと胸をなで下ろす

 なんだ、雛森副隊長と同期なら少し安心…かもしれない
 
 何かあったら雛森副隊長に言おう

 とちゃっかり自分の安全を確保

 「それと」

 「はい?」

 「あー、俺周りくどいの苦手なんだわ」
 
 阿散井副隊長は苦笑しながら頭をぽりぽり掻いて

 「お前が雛森と一緒にいたとこ見た時から好きなんだ」








 長い沈黙を破ったのは他でもなく



 「公私混同はするなよ、」


 という朽木隊長の一言でした。