朝目が覚めると、あなたの姿はもうなくて
あなたの温もりさえも残っていない。
眠りたい目を擦りながらあなたの名前を紡ぐ。
「ギン…」
声に出して呼ぶことほど、愚かなことはない。
だけど、せずにはいられない。
「ギン、どこ?」
「…ギン?」
「こっちや」
ちょいちょいと、縁側から手招きをする。
ギンの横にちょこんと座る。
「…どこに行ったのかと思った」
ぼそっと、そして少し怒りを込めた声であなたに言う。
「を独り置いてボクはどこにも行かへんよ」
「なにしてるの?」
「見てみぃ、綺麗やろ?」
薄明かり、太陽が光輝き、昇っていく
辺りが光りに包まれていく
「綺麗、でも、お正月じゃないよ?」
初日の出って、言うくらいでしょう?
「でも、と見るのは今日が初めてやん?」
「そうだね」
「せやから、今日がボクたちの初日の出やないの?」
「ギンって、時々すごいこというよね」
「ほんとのことや」
もし、な
もしの話やで
もしボクがこの世界から居なくなったとしても
空は繋がっているんや
せやから、ボクとの見ている空はいつも一緒やねん
もし、がボクがおらんと寂しなったら、
空見て欲しいねん
この空のどこかにボクはおるんやから
「そんなもし、なんて聞きたくない」
やだやだ、と耳を押さえて頭を振る
「ボクはずっと側におるよ」
「じゃぁ、なんでそんな話するの?」
「せやからもし、言うたやん」
そんな切なそうな顔で笑ったって説得力無いよ
で、もし、
が寂しさに耐えれへんかったら
ボクが君を攫いに来るから
待っとって
ここの窓を開けとって
そしてら、ボクこの窓から入ってを攫いに来るから