別にすっごく好きだったわけじゃない

 ただ隣に居てくれるだけで良くて

 安心できた場所だった

 
 それが恋だったと、言われれば確かにそうだったのかもしれない

 けど、自覚するのには遅すぎたんだ





 「

 心地よい、響く低い声

 「、起きてや」

 「…ん?」

 「こんなとこで寝てちゃあかんやろ」

 お気に入りなんだもん、この場所

 「だって晴れてるんだもん」

 陽の光りがやんわり当たって、背中の木は大きくて凭れられる
 
 「だってやないの」

 「ギン、お仕事は?」

 背の高い貴方を見上げて問う
 
 「…今日は非番やねん」

 目を細めて笑う

 「嘘つき、昨日も非番って言ってたじゃない」

 死神ってそんなに暇なの?

 「に会いたかってん」


 彼は微笑して、私の頭にぐしゃっと手を置いた。

 どうしてだろうか。

 貴方の大きい手はこんなにも私を安心させる。


 
 「、」

 
 あなたの私を呼ぶ声が凄く好き


 「はいつも空見てんなぁ」

 「綺麗でしょ?何処までも青くて」

 世界の空は繋がってるんだって

 「そやったら、ボクが見てる空とが見てる空はいつも同じやな」

 「そうだね」

 あの雲を貴方も見てる?

 「、ボクもう行かなあかんねん」

 「お仕事?」

 「せや、も元気にしててな」

 「うん、頑張って」

 小さく手を振る

 私の貴方に置いてた貴方の手が離れる

 温かい、あなたの手が


 





 幸せは失ったときに気づくもの








 
 あれからギンが此処に来ることは無くなって
 
 私は安心して眠れない