「えぇーッ!!!!!」
テレビのワイド特集を見ていて、思わず大声をあげた。その直後廊下がバタバタと騒がしくなって思い切り襖が開けられる。
どうしたんだァァァアアアア!?」
顔色を変えたお兄ちゃんが勢いよく入ってきて私を抱きしめる。正直すごく苦しい。軽く呼吸困難になっていると、もう一つの人影がお兄ちゃんの背後に迫る。
「なにやってんだ、アンタは」
ベリッと接着剤でも塗っていたんですか、と聞きたくなるくらいに張り付いてたお兄ちゃんはトシさんによって私から離される。すると何時ぞやのCMで見た子犬のように潤んだ目で私を見てくる。別に私は悪くないのに何故か罪悪感を感じてしまう。
「んで、どうしたんだ?」
「あ、あのね!いまテレビで…ッ!」
人間急かされるとどうしても言えないもので、呂律が回らない。トシさんの眉間の皺が深くなっていく。
「あ?サディスティック星でも出てたのか?」
「違くて、」
即座に否定する
「だからね!見てこれ…ッ!」
テレビを指差す。映し出されているのは若い女の子。多分売り出し中のアイドルだろう。(と思う。
見たことあるようなないような。でもかわいい。
「これが?どうした?」
ちなみにお兄ちゃんはトシさんの後ろで拗ねている。
「反侍のリーダーが熱愛なんだって!」
トシさんは深い深い、とても深いため息を付いた。
「おまえ、そんなことで叫んだのか…?」
「うん」
溜息を付いたトシさんが「ミーハーだな」と言った声が耳に入りちょっとだけトシさんを睨んだ。
「好きだったのか?」
「なにィィイイイ!?お、お兄ちゃんは認めないぞ!そんなチャラチャラした男は認めーんッ!」










「しっかしまァ、はあんなヤツが好きとは初耳だなァ」
ニヤニヤしながら総ちゃんがテレビと私を交互に見る。相変らずテレビは騒がしく熱愛を報道している。
「もう、違うってば!」
「どうだかねィ」
「だって、ほら今までそういうこと報道されてない人が報道されるとビックリするっていうか… ね?」
分かるでしょ?というニュアンスを含んで総ちゃんに問いかける。総ちゃんは興味が無いのかなんなのか、ふーんと流した。


色を取り戻した私の世界。
(070302)