気が付けばポロポロと涙が零れていて、涙腺が壊れたように次から次へと涙が溢れてくる。
「…そんなに泣かないでくだせェ」
総悟も少し鼻をぐずぐず言わせながら、私の頭を撫でる。それが拍車を掛けるように私は我慢していたものが、全て出てくるかのように泣き続けた。
「だって…!う゛ー…」
「そんなに泣いたら目が腫れますぜ、目が腫れたなんて見てられねェ…」
私は総悟の袖をぎゅうと握った



ちょっとした 悪戯



「テメェ等、仕事サボって台所で何し…!?」
その光景に足を止め、いつも開いている瞳孔がますます開いた(気がする)真撰組鬼の副長こと土方十四朗。冷や汗というか、見てはいけないものを見てしまった、というのが第一印象。

俺は次にどんな言葉を発すればいいのか、分からなかった。というのも、真撰組紅一点のがサディスティック星からやってきた沖田総悟に押し倒され、しかもは涙目だ。心なしか総悟の目も赤い気がする。

「な、なにしちゃってんの?」
どもりながらも一生懸命言葉を紡いだ。
「土方、さん…」
は蚊の鳴くような声で俺の名を呼んで、顔を逸らした。(何なんだ!一体!
「本当に土方さんは邪魔でさァ、これから俺がをおいしく頂くところだったのに」

……は?

「って!何しちゃってんのォォォォォオオ!?」
ベリベリと音がしそうな勢いで二人を剥がした。
「何しやがんでィ…」
総悟からを隠すように俺の背中の後ろに追いやった。総悟はぶつぶつと文句を言っている
「…あははははは!」
振り向くとが腹を抱えて笑っている。俺は再び、固まった
「だって…!土方、さん!お、おもしろ…!」
「土方さんは相当のば、馬鹿でさァ…ッ!!!」
総悟まで笑い出して何がなんだかさっぱりだ。だが、馬鹿にされているのだけは確実だ。俺は怒りのボルテージが上がっていくのが分かった。俺が黙ってもなお、笑いこける二人にさらに怒りがこみ上げる。

「…テメェ等、何がしたいんだ?」

「あ、あのね!たまねぎを切ってたら、な、涙が出てきて、それでちょっとした悪戯、心で…!」
しゃべることもままならないくらいに笑っている(あぁ腹立つ!
「ほぅ、それで?」
俺は刀を鞘から抜く
「や、ちょ、土方さん?…何して…?…って!総悟ー!一人だけ逃げるなー!」
チッ、アイツは逃げやがったか。背後に壁があり、逃げられないそして俺、台所には俺たちだけが残された。…総悟のヤツはまた今度だな。
「それで、言い訳はなにかあるのか?」
「…土方さん、お、落ち着いて話し合いしましょ?ね?」
「今更落ち着いて話せるかァァァァァァァ!!!!!!」

そして、台所に不似合いな絶叫が真撰組屯所に響いた。


(ちょっとした悪戯心だってば、だからそんなに怒らないでよ?ね?君の笑った顔見たかったんだもん。)

(061014)