「どうして、今まで言ってくれなかったの?」 冷静にゆっくりと聞いた。だけど、泣いてしまうから視線だけは合わせることができなかった。 「言ったら何か変わったんですかィ?」 「変わるよッ!もっと総悟と一緒にいようとか、行きたかったとこに行ったり…」 後半は涙声で聞き取りにくかったのかもしれない。 「俺ァそんな風にが泣くのを見たくなかったんでさァ」 泣くことしか出来ないわたしをゆっくりと抱きしめてくれた。だけど、泣きたいのは総悟だと気づいたのは彼が違う世界に旅立ったあの瞬間。 悲 し い ワ ル ツ を 君 と 労咳、つまり肺結核は結核菌と呼ばれる細菌が肺に浸潤し、その中で結核菌は繁殖し咳きや喀血さらに体中に繁殖していき最後には死ぬ病気。不治の病と証され恐れられている病気の一つだ。 気が付かなかった。 確かに、最近体がだるそうだと思っていた。だけどそれは風邪だろうと自己完結していた。 気が付いたのは総悟が血を吐いているのを見てしまった。慌てて狼狽えるわたしに総悟は落ち着かせて、そして話してくれた。何も出来ない自分の無力さに腹立たしくそれと同時に見抜けなかった不甲斐なさに、泣くことしか出来なかった。 「落ち着きやしたかィ?」 ゆっくり頷く。わたしを抱きしめてくれる総悟は確かに温かく心臓の音だって聞こえる。 確かに、ここにいるのに。 「ごめん、わたし…」 「謝らないでくだせェ、には笑っていて欲しいんでさァ」 そういって総悟が袖で涙を拭いてくれた。だけど、総悟をみるとまたじわぁと熱いものがこみ上げてきて、視界がまた潤んだ。 「総悟…、わたし総悟だけを逝かせない」 「それは…」 「わたしも一緒に逝くから、だから」 あなたの病がわたしにも感染れば、そうすれば一緒に逝ける 「も相当の馬鹿でさァ」 短かった時間しか共有することが出来なかったけど、だけどその分同じ世界に長く一緒にいれればいいと思う。だから、わたしはあなたを追いかける。先にあなたが旅立ってしまったとしても、追いつくから、だから待っていて欲しい。 これから見る夢はきっと長い夢、だけどそこにあなたがいるからわたしも笑っていられる。優しく手招きしてそして抱きしめてくれるから、もうすぐあなたの元に。 総悟がいないとわたしの世界は成り立たない "狂愛ロジック"投稿作品(0608) |