空色の瞳と金色の髪をそのまま受け継いだ君は、小さな姫君。

 愛する人の命と引き替えに生まれた君を、彼はとても愛していた。

 そして僕も、君を愛していた。

 成長するに連れ君は彼女のように美しく気高い女性になってゆく

 何処で何を間違えたのか、君は彼よりも僕よりも先に永遠の眠りについた

 君の寝顔はとても凛々しくて、彼は君の額にそっと口付けをして彼と彼の愛した人の誓いの指輪を君の手に

 それは儀式のように。



 僕は何度も転生を重ねる度に、君を探した。

 やっとの思いで見つかった君は過去に囚われて、だけどその首にはあの時の指輪が。

 君は覚えているものだと思っていた。指輪を大切そうに持っていたから

 そして眞魔国に行ったと知ったとき、きっと君は彼と話をしたんだと思った

 だけど実際は、覚えてもいないし眞魔国から帰った君は覇気がなかった。






 僕の話を聞きながら時折、俯いたり涙を抑えるかのように唇を噛み絞める

 あの時から、何度転生しても心の霧が晴れないのは君のことが心配だったから

 幸せになれと強く願ったのに、僕じゃ君を幸せには出来ない

 「眞魔国に、もう一度行ってみないかい?」

 吹き抜ける風が春の終わりを告げる

 ビク、と肩を揺らした君に再度微笑んだ

 「いい加減素直にならないと、彼が報われない」

 「でもどうしたらいいのか解らない…」

 嗚咽を含んだようなその声色を宥めるように優しく言う

 「その指輪に願えば、あっちに行けるからさ」


 ああ、僕ってなんていいヤツなんだろう。

 君が幸せになるためなら、僕が君の盾となり剣となろう








 愛する人の死に顔なんて、泣き顔よりも辛い

 幸せになれ、どうか、君の歩いていく先が光で溢れていますように

 去りゆく背中を見つめてそう願わずには居られなかった