先日婚約をしたと胸を張って言う幼馴染みにため息を覚えた。
父が血盟城に入り浸っているせいで、私はクライストの領地のことや家のことを全てこなしている。
書類に目を通し、判を押し、城の外に出ることも今では極端に減った。
フォンクライスト卿ギュンターの娘は二人いる。
一人は私の姉にあたるギーゼラ。彼女は養女だが歳が離れているせいか私を凄く可愛がってくれる
そしてもう一人が私で父ギュンターが唯一愛した女性との子供である。
父譲りの髪と瞳で、肖像画に残る母には何も似ていない。
久しぶりの来客を訪れる蹄の音に外を見やれば、金色の髪と青い瞳を持つ少年
書類を脇に寄せ、彼の為に机にスペースを起き、紅茶まで入れた
この城の者以外と会うことが、久しぶりでうれしかったのだ。
「来てやった」
と、偉そうな態度に変わりのない彼に緩く笑いそして紅茶を出した
そうして彼は言ってのけたのだ。
「僕はユーリと婚約した」
少し頬を染めて、
「ユーリ陛下と?」
可笑しいのか、なんなのか解らないけれど口角が自然に持ち上がる
「ユーリが求婚して来たんだ!」
自慢気に言うものだから、異世界からいらしたんだからこちらのマナーを知らなかったのでは?と聞けなかった。
今度会ったとき、誰かしらに聞こうと思った。
「それは、おめでとう…?」
疑問系にも関わらず紅茶を啜る
「ところで、父は元気かしら?」
「…あぁ、元気と言えば元気だが」
言葉を濁した様子に少し不安を覚える。
目も眩むような忙しさに身を滅ぼすような思いをしていると言うのに、
聞けば父は血盟城で陛下の美しさに仕事も手に着かないという。
呆れを通りこして、怒りさえも湧いてこない
「それで陛下がお帰りになったので、また半狂なのね」
いても、いなくても使い物にならないのか、あの父は
「も登城すればいいのに、ユーリもお前に会いたがっていた」
「使い物にならない父の娘だと紹介されたくはないんだけど」
真面目そうな顔つきで言えば、彼は失笑して
「それもそうだ」
と呟いた
「私は久しぶりにみんなに会いたいな」
「とギュンターを交換すれば話は早いな」
そうすればアイツも仕事をするだろう、とヴォルフは続けた
「いくら優秀な私でも王佐は勤められないなぁ、剣術も最近は怠ってるし」
「護衛にはコンラートがいる」
「それもそうね」
こうして、久しぶりの再会に話はふくらみ、陽は沈んでいった
「ヴォルフが来てくれて今日は楽しかった」
「あぁ」
「また来てね」
そうして彼は馬に跨り城から出ていった
遠く小さく消えていくまで見送っていた
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これって夢じゃない!(汗